こんにちは、統一翻訳ライターの津山です。近年、在留ベトナム人の増加や日本企業のベトナム進出に伴い、「正確なベトナム語翻訳」のニーズが増加傾向にあります。
これをお読みの皆さんの中にも、「社内の資料やマニュアルをベトナム語に翻訳したい」「ベトナム進出に必要な書類を翻訳したい」と、お考え中の方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで、今回はベトナム語翻訳を正確に行うために必要なポイントをお伝えいたします。「ベトナム語翻訳に機械翻訳ツールを使ってもいいのか」「翻訳会社を選ぶポイントがわからない」といったお悩みに、翻訳のプロがお答えします!
ベトナム語翻訳を検討中の企業様には必見の内容です!ぜひご一読ください。
ベトナム語の基本情報と方言
ベトナム語の基本情報
まず初めに、ベトナム語の基本情報について簡単にご紹介します。
ベトナム(正式名称:ベトナム社会主義共和国)は、東南アジアのインドシナ半島東部に位置する国です。ベトナムの人口は約9,762万人で、人口の約86%を占めるキン族の母国語「キン語」が公用語として使用されています。
ベトナムは中国の歴代王朝からの支配、フランスによる植民地化、第二次世界大戦時の日本軍進駐、ベトナム戦争など、長い苦難の歴史があります。そのためベトナム語には、中国語やフランス語、日本語と似ている表現があります。後ほど実例を説明いたします。
ベトナム語の3つの方言
ベトナム語は、北部・中部・南部の地域により3つの方言に分かれます。それぞれの方言の使用地域は以下の通りです。
- 北部の方言=首都ハノイを中心としたエリア
- 中部の方言=世界遺産古都フエを中心としたエリア
- 南部の方言=ベトナム最大の経済都市ホーチミンがあるエリア
ベトナム語の標準語というと、北部の方言を指すことが多いです。しかし南部のホーチミンには国営企業や外国企業が集中しているため、ビジネスでは主に南部方言が使われる場合もあります。
ベトナム語は方言によって、話し方や発音が異なります。特に中部の方言は他と比べ基本の単語自体が異なる場合も多く、ベトナム人同士でも全く理解できないこともあります。
例えば「大丈夫です(気にしないでください)」という表現は、北部と南部だと「không sao đâu(コホン サオ ドウ)」と言います。しかし中部の方言では、「nỏ răng mô(ノウ ラン モウ)」という表現になります。
また北部と南部の方言は比較的似ていますが、やはり違いもあります。例えば北部の方言ではフォークのことを「dĩa(ジア)」と呼びます。しかし南部の方言では「nĩa(ニア)」と呼び、南部で「dĩa(ジア)」は、お皿を指します。
このように、ベトナム語は方言によって表現フレーズが変わったり、同じ単語でも全く違う意味になることがある難しい言語です。
ベトナム語の3つの特徴
次に、ベトナム語の具体的な特徴を3つ紹介します。普段聞き慣れないベトナム語も、そのユニークな特徴を理解すれば、もっと身近なものに感じられると思います。
中国語由来の単語が多い
ベトナム語は中国語の影響を強く受けています。現代語の辞書に載っている70%以上の単語は、漢字表記が可能です。
日本語も、歴史的に中国語の影響を多大に受けてるため、ベトナム語と発音が近いものが多く存在します。例えば、日本語の「注意(ちゅうい)」は、ベトナム語でも「chú ý(チューイー)」で、とても発音が似ており、漢字表記も同じです。
中国語や日本語以外では、フランス語の影響も強く、例えばカフェを意味する「cà phê」というベトナム語など、フランス語の影響が色濃く残っている単語も多いです。
文字はアルファベット、上下に声調と母音記号を表記
ベトナムでは、かつて中国語の漢字と「チュノム」という独自の文字が使われていました。しかし19世紀後半、フランスの植民地となった後、「チュ・クオック・グー」と呼ばれる現在のアルファベット表記が導入されました。
「チュ・クオック・グー」には声調が6つあり、アルファベットの上下に声調記号や母音記号をつけて表記します。例えば「日本」を意味する「Nhật Bản(ニャッバン)」という単語の2つの「a」の上下にあるのが、声調記号と母音記号です。
人称代名詞が複雑
ベトナム語は人称代名詞(人や物を指す代名詞)が非常に多いという特徴があります。以下は自分と相手の性別、年齢差、立場によって使い分けた「私」という人称代名詞の事例です
(例)
- Mình(ミン):自分が相手と同世代
- Em(エム):自分が相手の弟や妹と同世代
- Cháu(チャウ):自分が相手の子どもか、それより下の世代
これは日本語で「私(ビジネス)」や「僕(プライベート)」のような、使い分けともちょっと似ています。
ベトナム語翻訳に機械翻訳を使う場合のコツ
ベトナム語の機械翻訳については、まだまだ発展途上で、現在のものでは正確性が低いため、ビジネスで使うにはまだ不十分です。人称代名詞の複雑さや、方言の使い分けが難しいという理由で停滞している、ということもあるかと思います。
しかしコストの関係で、どうしても機械翻訳を利用したい場合、以下の2つのポイントを押さえれば、訳文の正確性が改善します。それが「ポストエディット」と「逆翻訳」です。以下に簡単に説明します。
ポストエディットを行う
ポストエディット(Post Edit)とは、機械翻訳から出力された翻訳文を、人の目で確認し編集する作業です。
機械翻訳では、地域差や文化背景まで考慮して翻訳することはできません。そこでプロの翻訳者によるポストエディットを入れることで、対象地域の方にとって自然で読みやすい翻訳文に修正可能です。
逆翻訳を行う
逆翻訳とは、原文のベトナム語翻訳が完了した後に、再度、原文の言語に訳し戻すことを意味します。ポストエディット完了後、再度ベトナム語から原文の言語に機械翻訳し、だいたい同じ意味になっているかを確認してください。
機械翻訳は、例えば社内でベトナム語のニュースを読む場合など多少誤訳があってもいい場合は、機械翻訳だけ使うこともできます。
しかしビジネスで重要な契約書や操作マニュアルの翻訳などは誤訳が許されないので、機械翻訳の後は必ずプロの翻訳者の確認が必要です。
そのため重要な書類に関しましては、プロの翻訳家が在籍する専門の翻訳会社に依頼することを強くおすすめします。
翻訳の誤訳が引き起こす怖いトラブルは、こちらの記事を参考にしてください。
ベトナム語翻訳を翻訳会社に依頼する場合のポイント
最後にアジアで50年翻訳業務を提供してきた統一翻訳から、ベトナム語の翻訳会社を選ぶ際に確認してほしいポイントを3つお伝えします!
ネイティブチェックがある
ベトナム語は歴史的に、多様な言語による影響を受けた言語のため、声調変化や複雑な人称代名詞など、色々なルールがあります。また方言の違いに注意した翻訳が必要になる場合もあります。
そのためベトナム語翻訳を依頼する場合は、必ずネイティブによる最終チェックができる翻訳会社を選びましょう。
ネイティブチェックの重要性については、ぜひこちらの記事もチェックしてください。
実績と品質管理体制がしっかりしている
翻訳会社の中には、ベトナム語翻訳に関して十分な実績がない翻訳会社もあります。翻訳依頼時は、ホームページ等で、ベトナム語の対応可否を確認するだけではなく、実際にどんな翻訳の実績があるかを確認するのがオススメです。
また翻訳サービスの国際規格 ISO17100を取得していることも重要です。ISO17100は、翻訳者の質、品質管理からプロジェクトマネジメントまで、翻訳の質を高めるルールが規定された翻訳の国際規格です。
ISO17100のメリットを知りたい方は、こちらの記事で説明しています。
翻訳者の指定とトライアルが可能
ベトナム語には大きく3つの方言があるため、地域によって表現や単語が異なります。翻訳依頼時は、対象地域に精通したネイティブの翻訳者が指定できることが大切です。
また翻訳会社の無料トライアルを活用し、翻訳の質を見極めてから、実際のビジネス文書を依頼すると、なお良いでしょう。
ベトナム語を正確に翻訳したいなら統一翻訳へ
ベトナム語翻訳のポイントについて、ざっくりご理解いただけたでしょうか?
最後に、高品質なベトナム語翻訳を求めるお客様に、弊社「統一翻訳」をご紹介します。
統一翻訳は台湾に本社をもつ50年以上の実績がある翻訳会社です。台湾とベトナムは深い繋がりがあり、台湾での国際結婚の約2割が、ベトナム人との結婚です。そのため台湾では、ベトナム語の翻訳ニーズが多く、弊社の翻訳経験も豊富です。
さらに統一翻訳では11,000人の翻訳者を有し、あらゆる分野、地域のべトナム翻訳に対応可能です。もちろんネイティブによる翻訳とネイティブチェックにも対応いたします。
また高い翻訳品質を保証できるあかしとして、ISO17100も取得しており、翻訳の品質、納期、情報管理の面でも安心です。サポートも24時間・年中無休で対応しているので急なご相談でも即時対応いたしております。
現在、統一翻訳では、300文字の無料トライアルを実施中です。ベトナム語翻訳が必要なお客様は、是非こちらからお問い合わせください!