こんにちは、統一翻訳ライターの津山です。

今回は、近年注目を集めているマーケティング翻訳について、具体的な活用事例や、翻訳会社に依頼なさる際のコツを、ご紹介します。

マーケティング翻訳は、ここ数年、急速にニーズが高まっている分野です。

コロナショックを経て、企業とユーザーとの接点がオンラインに移ったことにより、従来のペーパーカタログや、商品パッケージの翻訳にとどまらず、ウェブサイト、ブログコンテンツ、ホワイトペーパー等、デジタル施策でも翻訳のニーズが増えています。

しかし、企業様のウェブサイトを拝見すると、時々、機械翻訳をそのまま利用なさったような、明らかに不自然な日本語のウェブサイトやコンテンツも見られます。もし、原文がどれほど完成度の高い仕上がりでも、他言語への訳文が不自然だと、海外ユーザーからの信頼を失い、ビジネスがうまくいかないリスクがあります。

機械翻訳の活用が広がりつつある現代においても、マーケティング翻訳は、プロフェッショナルな翻訳者たちでなければ、対応できない分野の一つです

そこで、この記事では、マーケティング翻訳の品質がビジネスに影響を与える例や、実際に依頼なさる際に注意すべき点を、まとめてご紹介したいと思います。

マーケティング翻訳をプロの翻訳者にお任せいただく方がおすすめな理由

マーケティングに翻訳は重要

最初に、なぜマーケティング翻訳をプロの翻訳者にお任せいただく方がいいのか、その理由を、二つご紹介します。

まず一つめは、マーケティング翻訳においては、読み手が、実際に製品やサービスの導入を検討したくなるような、魅力的な翻訳が求められるためです。人を惹きつける訴求力が求められる翻訳のことを、トランスクリエーション(transcreation)ともいいます。

弊社では、商品説明やキャッチコピーを翻訳する際、より訴求力のある訳文に仕上げるため、お客様のご希望に応じて、数種類の異なる訳文をご提供します。

二つめは、マーケティング翻訳において、訳文の使用地の文化的背景や社会状況に配慮したローカライズが欠かせないためです。

弊社では、訳文の使用地におけるデリケートな言葉や、競合他社が使用するスローガンは使用しないよう、細心の注意を払っています。

マーケティング翻訳が、機械翻訳で太刀打ちできない分野と言われる理由は、トランスクリエーションやローカライズに対応できないためです。逆に言えば、その技術こそが、プロフェッショナルな翻訳者の腕の見せ所となります。

マーケティング翻訳におけるローカライズの具体的な活用事例については、以下の記事を参考になさってください。

関連記事:【翻訳のプロ直伝】 マーケティング資料翻訳のコツと3つの注意点

翻訳の品質がマーケティング施策の成果を左右する例

では、実際に、翻訳の品質がマーケティング施策の成果を左右する事例について、二点ご紹介します。

例1:コンテンツ翻訳の品質がGoogleの検索順位に影響する

マーケティングの翻訳はSEOにも関係

最近のビジネスマーケティングでは、どのような業界においてもGoogle検索で上位表示させるための対策(SEO対策)が欠かせません。

海外においてビジネスを行う場合は、高品質な翻訳コンテンツを準備しておくことが、ビジネスの進出先におけるSEO対策につながります。

日本国内の場合、Google検索でトップ表示されるページのクリック率は14%ですが、10位に表示されるページではクリック率が1%に低下します。

Googleでは、ユーザーにとって有益な内容であるかが重視されるため、訴求力のあるコンテンツ翻訳を作成することは、Google検索掲載順位にも影響する可能性が高いと言えます。

Googleの検索順位クリック率
2021 CTR Research Studを参考に筆者作成)

逆に、機械翻訳によって翻訳した不自然な表現が残るコンテンツでは、上位表示がなかなか見込めないため、注意が必要です。

弊社のマーケティング翻訳では、通常の翻訳と校正に加え、最後にマーケティングに精通した翻訳者が文章を手直しするなど、読みやすさを追求しています。

例2:ウェブサイトのUI翻訳の品質が顧客獲得成果に影響する

マーケティングではUIの翻訳も重要

続いては、ウェブサイトのUI(ユーザーインターフェース)に関する翻訳の事例です。UIとは、具体的に、TOPページのレイアウト、サイトマップ、文字のフォント、ユーザー登録画面の操作性などを指します。

ビジネスをグローバルに展開する場合、海外顧客に自社を知っていただくきっかけとして、多言語ウェブサイトの存在が欠かせません。しかし、中には、ウェブサイトの自動翻訳機能をそのまま使用したために、不自然な表現が残るUIを見かけます。

以下は機械翻訳で中国語から日本語に翻訳したと考えられるUIの事例です。

UI翻訳がおかしい例

ユーザーが実際に操作する中で、上記のような不自然なボタンや説明が出てきたら、そこで離脱する可能性が高まることは間違いありません。

弊社のUI翻訳では、必ずクライアント様からビジュアルや用語集をご提供いただき、翻訳画面を確認しながら正確に翻訳を行っています。これは、機械翻訳には真似できない技です。

マーケティング翻訳においては、機械翻訳に頼りきるのではなく、プロフェッショナルな翻訳者にご依頼なさることが、ビジネスを成功に導く近道です。

マーケティング翻訳の依頼時にお伝えいただきたい3つのポイント

マーケティング翻訳

最後に、マーケティング翻訳をプロの翻訳会社にご依頼なさる際、企業様から翻訳会社にお伝えいただくと、更に翻訳の品質が上がる3つのポイントをご紹介します。

ポイント1. ターゲットの詳細

プロの翻訳者等

マーケティング資料においては、訴求力のある翻訳が欠かせませんが、そのためには、まず、訳文の読み手となるターゲットの属性を明らかにしておくことが重要です。具体的な属性として、性別、年齢、家族構成などがあります。

例えば、中国語の商品説明を日本語に翻訳する場合、ターゲットが女性なのか男性なのかによって文体が変わることがあります。事前にターゲットに関する情報を翻訳会社に共有していただくことで、翻訳品質の向上につながります。

ポイント2. 言語および訳文の使用地

中国、台湾、香港の違い

マーケティング翻訳においては、中国語や英語といった言語の種類に加え、使用地の情報が必須となります。その理由は、例えば、同じ中国語という言語でも、中国、台湾、香港では、漢字の字体、表現方法、単語などが異なってくるためです。

さらに、地域によっては、翻訳時に使用が認められない言葉も存在します。例えば、中国では、広告表現において「第一」「最多」といった言葉の使用は許可されていませんが、一方で、台湾では、上記のような表現を使用しても問題ありません。

弊社の場合、翻訳時には、業界に精通したネイティブが、訳文に使用が認められない言葉が含まれていないかについて、必ず確認を行っています。

中国語翻訳の際に注意すべき点については、以下の記事も併せて参考になさってください。

関連記事:プロが教える【台湾語 (繁体字中国語) 翻訳の注意点】

ポイント3. 用語集やスタイルガイド

用語集

固有名詞が頻出するマーケティング資料、あるいは、複数箇所で同じ表現が使用されるUI翻訳を、翻訳会社にご依頼なさる際は、用語集や、表現や表記に関するルールをまとめたスタイルガイドと呼ばれる文書を、事前に翻訳会社に提出することをお勧めします。

用語集をご提供いただけると、翻訳者サイドでの用語検索にかかる時間が削減できるため、翻訳のスピードアップに繋がり、最終的にはコストも抑えられます。

また、ブログのような柔らかい文章の場合、翻訳者の好みによって文体が大きく異なるため、スタイルガイドで文体を細かく指定いただくと、訳文の仕上がりが原文のイメージに近づきやすくなります。

用語集の作成方法に関しては、以下の記事で詳しくご紹介しています。

関連記事:用語集が翻訳の質を決める!翻訳用語集の基礎知識と作成方法

いかがでしたか?今回は、一筋縄では行かない、マーケティング翻訳の事例や依頼時のポイントについてご紹介いたしました。

マーケティング翻訳は、市場に精通しているだけでなく、文化的背景や社会状況に配慮しつつ訴求力のある訳文を求められる、機械翻訳では代替が難しい分野です。

ptsgi

だからこそ、世界で通じる、高品質なマーケティング翻訳をお求めの企業様は、世界の140種類の言語をそれぞれの母国語とする、1万人以上の翻訳者を擁している弊社・統一翻訳に、ぜひ一度ご連絡いただければと思います。