こんにちは、統一翻訳ライターの津山です。近年、機械翻訳が発展し、だれもが気軽に翻訳ができる時代になりました。しかし、機械翻訳は便利な一方で、まだまだ誤訳も多く「この訳は本当に正しいのか?」と疑問に思う訳文が出る場合もあります。そのような場合に、その解決策として注目されているのが「逆翻訳」です。

逆翻訳とは、一度翻訳した文章を、元の言語に翻訳しなおす作業のことを指します。日本語を英語に訳し、その英語をまた日本語に訳し直すわけです。こういったチェック作業は、私たちも普段よく行っています。

ただ、難しい言葉を含む専門的な医療文書や法律文書では、機械翻訳ツールを使って、逆翻訳を行っても、その正誤を判断できません。専門的な文書はプロの翻訳者による逆翻訳を使うことで、翻訳の精度を上げ、誤訳を防ぐことができるのです。

そこで今回は、「逆翻訳」とはどういった作業か、どのような文章で使うべきか、そして利用時の注意点まで、実例を交えながら、翻訳業界一筋50年の歴史を誇る統一翻訳がまとめてお伝えします。

専門文書の翻訳をさらに正確に行いたい、とお考えの企業の皆様は、必見です!

逆翻訳とは

逆翻訳とは

逆翻訳とはどのような作業か? 

逆翻訳とは、一度翻訳した文章を元の言語に翻訳しなおす作業のことです。英語では「バックトランスレーション」と呼びます。

具体的には、ある翻訳者が日本語から中国語や英語などに翻訳した文章を、別の翻訳者が、翻訳された内容だけを見て、もう一度日本語に訳し戻す作業のことを指します。

翻訳者は第三者の目線で、日本語の原文と、中国語や英語から日本語に訳し戻した文を比較し、内容に矛盾点や意味の違いがないかを確認します。

逆翻訳を行う目的

1つの文章の翻訳で、わざわざ手間や費用をかけて逆翻訳を行う目的は、3つあります:

  1. 翻訳内容の正確性の検証
  2. 翻訳会社の品質の検証
  3. 高精度な翻訳文の作成

逆翻訳の最も重要な目的は、翻訳内容がおおむね正しく原文の意図を反映しているかどうか、検証することです。

また文章の内容の検証以外に、翻訳会社の品質を見極めるという目的でも使えます。翻訳会社Aに依頼して作成した訳文の逆翻訳を、翻訳会社Bに依頼し、結果を比較することで、質の高い翻訳会社を見分けることができます。

その他、原文と逆翻訳したとの差異を精査し、その結果を翻訳者にフィードバックすることで、原因解明に繋がり、翻訳の精度をワンランクあげることができます。

逆翻訳の2種類の方法

逆翻訳

逆翻訳には、2種類の方法があります。最も異なる部分は、依頼者が用意すべき資料です。翻訳に詳しくない方でも、2つの方法の違いがわかるように簡単に説明します。

方法1 シングルバックトランスレーション

依頼者が用意するべきもの

  1. 原文
  2. 翻訳文

シングルバックトランスレーションは、依頼者が原文と翻訳文を翻訳会社に渡し、翻訳担当者が翻訳文を元の言語に逆翻訳し、それを原文と比較するという方法です。

依頼された翻訳会社は、逆翻訳したものと原文を見比べ、矛盾や翻訳ミスがないかを検証します。確認後、翻訳会社は原文と翻訳文を比較した結果をまとめた報告書を作成し、依頼者に提出します。

方法2 ダブルバックトランスレーション

依頼者が用意するべきもの

  1. 原文のみ

ダブルバックトランスレーションでは、依頼者は翻訳会社に原文のみを提出し、翻訳者Aが原文をまず翻訳します。翻訳が終わったら、別の翻訳者Bが、再度、原文の言語に逆翻訳します。

ダブルバックトランスレーションの場合、逆翻訳を行う翻訳者が、オリジナルの原文を見てしまうと、全く逆翻訳の目的を果たせないため、きちんとした翻訳会社であれば、翻訳者Bは、翻訳者Aが使用した原文は全く見ていないといった内容の証明書を発行してくれます。アメリカの医療関係資料では逆翻訳の証明書が必須になるケースもあるので、注意しましょう。

翻訳会社2社の品質を比べるという目的ではなく、信頼できる翻訳会社に対して、さらに高い精度の訳文を求める場合には、このダブルバックトランスレーションをご依頼なさると良いでしょう。

逆翻訳が使われる文書の事例

逆翻訳が向いてる書類

では実際に、どのような分野、どのような文書で、逆翻訳のニーズが高いのかというと、主に以下のような「専門性の高い」分野です。

一例:

  • 医学(医療関連文書、医療機器関連文書など)
  • 薬学(薬事関連文書など)
  • 金融(財務資料など)
  • 法律(契約書、裁判資料など)
  • 特許(申請資料など)
  • 科学・化学(論文や研究資料など)

上記のような専門性の高い文書は、細かいミスが許されない場合が多いです。専門用語の使用ミス以外にも、ちょっとした言い方や表現の仕方の違いで、法律上のトラブルや、医療事故をまねく危険もあり、どんな小さなミスも許されません。企業のリスク管理上、逆翻訳は重要な手段だと言えるでしょう。

誤訳がもたらすリスクについてはこちらをご覧ください。

関連記事:【誤訳で80億円の損害!?】誤訳の事例3つと誤訳が起こる原因&解決策

逆翻訳の2つのメリットと依頼時の注意点

最後に、翻訳のプロである統一翻訳から、依頼主にとっての逆翻訳の2つのメリットと、依頼時の注意点を紹介します。依頼主の皆さんも、メリットと注意点を知ることで、逆翻訳が本当に必要かどうか、見分けることができるようになります。

逆翻訳を行うメリットは以下の2つです:

  1. 客観的に翻訳文の正しさや品質をチェックできる
  2. ミスが許されない文章での誤訳を防げる

日本の会社では特に多いと思いますが、例えば、ある説明書や契約書等を、日本語から中国語に翻訳しなければならない時、中国語を理解できるスタッフが、自社内にはいない場合があります。また、もしいる場合でも、そのスタッフの方が翻訳した中国語が完全に正しいかどうか、判断する人までは、なかなかいないものだと思います。

前者の場合は、翻訳会社に翻訳を依頼することになるかと思いますが、その翻訳会社の翻訳の質を確認する上で、逆翻訳は有効です。後者の場合でも、自社の方が訳した中国語が完全に正しいか、翻訳会社の逆翻訳サービスを利用することで、確認することができます。

逆翻訳で上がってくる訳文は、「日本語」ですので、中国語が理解できない方でも、元々の中国語の訳文が正しく訳されているか、確認できるわけです。

ただし、逆翻訳を依頼する際には、注意も必要です。

逆翻訳が向かない小説

逆翻訳は、あらゆるタイプの訳文に対して効果があるわけではありません。広告のキャッチコピーや、ウェブサイトの記事など、表現の幅に自由度が高く、無機質な形式的な表現よりは、読みやすさや表現力、人を引き付ける力などが重視される文章では、逆翻訳が意味を持たないこともあります。

逆翻訳が効果を発揮するのは、「正確さ」の確認においてのみで、言葉の表現力などの「感覚的」な部分については、逆翻訳ではチェックすることができないからです。

読みやすさや表現力が重視される文章の場合は、「逆翻訳」ではなく、翻訳文書に関連する分野に精通したネイティブ翻訳者に、翻訳やチェックを行ってもらうことがオススメです。

訳文に対して、正確性を求めるのか、あるいは表現力を求めるのか、しっかり見極めた上で、必要なサービスを選ぶようにしましょう。

ネイティブによるチェックの重要性は、こちらの記事を参考にしてください。

関連記事:【翻訳ネイティブチェックは必須】翻訳会社から見た重要性と依頼時の3つのポイント

専門性の高い文書の翻訳は統一翻訳へ

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最後になりましたが、ミスが許されない専門文書を翻訳したい、翻訳文の品質を今一度確認したい、とお考えの皆様に、50年以上の実績を誇るアジア最大の翻訳会社「統一翻訳」を紹介します。

統一翻訳では、長年培ったノウハウや経験に基づいて、医薬品関連文書や財務諸表などの専門文書の翻訳、特許翻訳、ホームページの翻訳など、あらゆるジャンルの翻訳サービスを提供しています。

統一翻訳には現在、世界140カ国、11,000人の翻訳者が在籍しており、お客様のニーズに最も適した翻訳家が必ず見つかります。また、もしお客様が、現在お持ちの訳文に対して、少しでも不安を感じていらっしゃる場合、弊社でのネイティブチェックや、逆翻訳のご依頼にも対応いたします。。

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