こんにちは、統一翻訳のライターの津山です。
今日は同時通訳と逐次通訳についてお話しします。皆さん、同時通訳と逐次通訳って同じ通訳だと思っていませんか?実は、この二つの通訳は、全く別物なんです!
例えば、同じ通訳現場でも、同時通訳か逐次通訳、どちらを選択するかで進行内容は大きく変わります。結論から言うと「スピード重視」の場合は同時通訳、「正確さ重視」の場合は逐次通訳をおすすめします。
そうは言っても、通訳手配を検討している企業様にとっては、スピードも正確さも両方重視したい、そもそも同時通訳と逐次通訳の違いがよくわからないなど、気になることが、たくさんあると思います。
そこで今回は、同時通訳と逐次通訳のメリット・デメリットをお伝えします。また統一翻訳の実例とノウハウをもとに、活用事例と注意点、依頼時に押さえたい3つのポイントまでをまとめて説明します!
この記事を読めばスムーズな通訳作業を実現するために必要なポイントが5分でわかります。通訳手配を検討している各企業のご担当者様は必見です!
知っておきたい通訳の種類と活用場面
通訳の方法は主に、同時通訳、逐次通訳、ウィスパリングの3種類があります。
ここではまず、スピードと正確さの両方を兼ね備えた通訳をお探しの方に、少し残念なお話をします。それは、スピードと正確さを両立する、完璧な通訳方法はないということです。
同時通訳、逐次通訳、ウィスパリングはそれぞれ、重視するポイントや用途が違います。ここでは皆様に通訳の種類を正しく認識していただくため、概要と用途についてまとめてお伝えします。
方法1 同時通訳
同時通訳は、話し手が話す内容を通訳士がほぼ同時に通訳していく方法です。
同時通訳の場合、通訳士は正確に話し手の音声を拾うために、専門機器や専用ブースを利用します。通訳内容もイヤフォンなどを通して聞き手に伝えられます。そのため、同時通訳は参加人数が多い中でもテンポよく進行したい場合の利用に適しています。
主な活用場面:大規模な会議、総会、記者会見、講演会、シンポジウム、学会など
方法2 逐次通訳
逐次通訳は、話し手がある程度区切りの良いところまで話した後に、通訳士が別途通訳していく方法です。
逐次通訳の場合、話し手・通訳士・聞き手の全員が、声が届く近い範囲内にいる場合が多く、周囲環境が静かであれば専門機器も必要ありません。聞き手が、正確にゆっくりと、内容を理解しながら、話し手の話を聞きたい場合に適しています。
活用場面:少人数の商談・会議、研修、セミナー、インタビュー、工場見学など
その他、よく首脳会談などで使われるのが「ウィスパリング」という方法です。これは通訳士が聞き手のそばでささやくように同時通訳する方法で、聞き手が少人数の場合のみ使われます。
以上の用途を押さえた上で、今回はビジネス上での利用機会が多い「同時通訳」と「逐次通訳」について、それぞれ詳しく説明していきましょう。
同時通訳と逐次通訳のメリットとデメリットとは?
「同時通訳」のメリットとデメリット
同時通訳のメリットは、話し手の内容をタイムロスなく聞き手に届けられることです。発言と通訳が同時進行で行われるため、短時間で多くの内容を届けることができ、テンポよく進行することが可能です。
反対に同時通訳のデメリットは、費用が高くなりがちな点と、内容を完璧に通訳するのは難しいという点です。
同時通訳は非常に高い技術と集中力が必要です。聞く、考える、話すを同時に行なうため、基本的に一人の同時通訳者が連続して通訳するのは15分程度で、複数の通訳士が交代しながら行うのが一般的です。そのため半日の通訳時間の場合は2人、通訳時間が1日の場合、最低でも3人の同時通訳者が必要になります。また、同時通訳における、通訳内容の正確さについては、8割くらいが基準とされています。
「逐次通訳」のメリットとデメリット
一方、逐次通訳のメリットは、話し手の内容を正確に伝えられる点や、通訳士の費用が抑えられる点です。
逐次通訳の場合、通訳士はメモを取りながら翻訳できるため、細かいニュアンスに配慮した通訳が可能です。また多くの場合、通訳士は丸1日の通訳時間でも、1人で対応できるので、同時通訳に比べ費用が抑えやすいです。
反対に逐次通訳のデメリットは、タイムロスです。話し手と通訳士が交互に話すため、どうしても同時通訳より時間がかかってしまいます。聞き手側にも待ち時間が発生し、会議等での進行のテンポはどうしても悪くなりがちです。
同時通訳と逐次通訳の実例と通訳時の注意点
では実際に「同時通訳」と「逐次通訳」がどのような場面で使われているのか、また通訳を依頼するときに注意したいポイントを、統一翻訳の実績・ノウハウを基にお伝えします!
統一翻訳では、これまで政府関連の重要な会議、台湾にある故宮博物館のイベントなどの場面で「同時通訳」を、学術研究会や映画フェスティバルなどの場面で「逐次通訳」を担当してきました。
上記はほんの一例です。国際的なビジネスが一般化し、言語の多様性も重視されている現代社会において、通訳業務が発生する機会は、非常に増えており、弊社も日々、様々な通訳業務でお客様をサポートしております。
そんな弊社が、通訳で必ず気をつける5つのポイントがあります。それが「人・事・時・場・物」です!
統一翻訳が、通訳の場面で最も重要だと考えるのが、「誰が(人)、どんな目的で(事項)、いつ(時間)、どこで(場所)、何を使って(物)行うのか」です。そのためこの「人・事・時・場・物」に関しては、クライアントに対して事前ヒアリングを、念入りに行います。三者(通訳者本人、翻訳(通訳)会社の担当者、クライアント)のコミュニケーション不足により、明確な共通認識が、事前にとれておらず、この5点のうち何か一つでも曖昧な状態だと、現場での通訳に支障が出ます。
皆さんも通訳をご依頼の際は、上記5つの点を意識して、通訳会社とのコミュニケーションを円滑に進めてください!
質の高い通訳を行うために必要な3つのポイント
では次に、皆さんが通訳を、ご発注(または複数の通訳会社を比較)なさる際に、意識すべき3つのポイントをお伝えします。その3つとは、目的意識、情報共有、実績です。
通訳業務において、「スピード」および「正確さ」のどちらも、一定以上の高いレベルを達成するためには、これらのポイントを抑えることが重要です。ぜひ最後までチェックしてください!
通訳の目的と重視すべきポイントを見極める
一つ目のポイントは通訳の「目的」です。最も重視すべきポイントが「スピード」なのか「正確さ」なのか、優先順位を明確につけることが重要です。
例えば、新商品発表会など、限られた時間でより多くの情報を伝えるのが目的なら、スピード重視の同時通訳が最適であり、一方で、工場見学など、時間をかけて正確に相手に理解してもらうのが目的なら、正確さ重視の逐次翻訳を選択するというのが最適なチョイスです。
また同じ「会議」であっても、目的が違えば重視すべきポイントも違います。
例えば、限られた時間で多くのことを話しあうことが目的の会議なら、テンポが早い同時通訳が向いています。
一方で、商談や交渉など、時間をかけてでも、細かいコミュニケーションを大事にしたい会議なら、逐次翻訳が向いているケースが多いでしょう。
このように、その目的によって、重視するポイントが「スピード」か「正確さ」かが決まり、最適な通訳方法も変わります。もし、それらが、まだはっきりしない場合は、先にプロの通訳サービスを提供している会社に相談するのがオススメです。
通訳士と事前の情報共有をしっかり行う
そして二つ目のポイントは、通訳士と事前の情報共有をしっかり行うことです。
通訳における情報共有の大切さを、具体的にイメージしていただく上で、分かりやすい例えは映画鑑賞です。皆さんが、映画を見る際、その映画のストーリーをある程度把握している場合と、全く情報がない状況で見る場合とでは、映画の後半部の展開の予測に、大きく差が出ると思いませんか?
通訳でも同様に、事前情報の量が増えれば増えるほど、通訳のスピードや正確さも上がっていきます。
そのため先ほどご説明した「人・事・時・場・物」については、事前にしっかりと、通訳士への情報共有を行いましょう。また、専門用語や、特に注意すべき内容、強調したい要素などについても、事前にできるだけ詳しく伝えましょう。
細かく丁寧に、通訳士と情報共有をしておくことで、通訳の正確さやスピードの向上が期待できます!
情報共有は、翻訳ルールを決めた用語集なども活用できます。用語集については以下のブログで詳しくルールを解説しています。
通訳の実績が豊富な翻訳会社を選ぶ
そして最後のポイントは通訳の実績が豊富な翻訳会社を選ぶことです!
実際の通訳現場では、現場の状況に応じて、様々な変化が起こります。たとえ通訳士と事前に情報共有を行っていても、想定外の事態が起こることがあります。通訳士には、どんな状況であれ、臨機応変に対応する能力が求められます。
そのため、重要な場面の通訳では、やはり実績が豊富な会社に依頼するのがオススメです。信頼できる会社の通訳士とタッグを組めば、交渉相手や会議の参加者に安心感を与えることにも繋がり、話が円滑かつ円満に進むことも期待できます。
通訳の質が低く、誤訳で大きな損害が発生した事例も過去にあります。誤訳の事例についてはこちらのブログを参考にしてください!
いかがでしたか?同時通訳と逐次通訳について、それぞれの違いと通訳のクオリティを上げる方法について、ご理解いただけたでしょうか?今回の記事が、皆様が今後通訳のご依頼を検討なさる際のお役に立てたら幸いです!
最後に、説得力のある高品質な通訳をお求めの方に、統一翻訳の通訳サービスをご紹介します。
統一翻訳は、国際会議通訳、ビジネス通訳、展示会通訳など、様々な通訳シーンでの実績が豊富で、お客様アンケートでも高い評価をいただいております。
統一翻訳では、お客様のご希望内容に合わせて、その産業分野に精通した最適な通訳士をご紹介することが可能です。もし今後、重要な会議、カンファレンスなどで質の高い通訳が必要な場合は、ぜひ一度、こちらからご相談ください!