こんにちは、統一翻訳ライターの津山です。
YouTube や オンラインセミナーなど、動画コンテンツが大変身近になった昨今、字幕翻訳についてお調べになる過程で、このブログにたどり着いた方も多いのではないでしょうか?
今回、このブログでは、知っておくと得をする字幕翻訳のルールと、翻訳依頼時の注意点を、プロの目線からお伝えします。
例えば英語と日本語のバイリンガルの方が、Netflix でアメリカ映画を、日本語字幕で見ている時、たまに変だなと思う事がよくあると思います。その違和感は、実はあまりよく知られていない、字幕翻訳における重要なポイントを抑えていないから起こっているトラブルかもしれないんです!
それでは、これから5分以内で簡単にわかるように、字幕翻訳のルールと注意点を紹介します。このブログが少しでも読者のためになり、皆さんの大切な動画コンテンツの字幕翻訳のクオリティが、より満足いくものになれば幸いです!
字幕翻訳とは?
字幕翻訳は、映像を翻訳する上での1つの手法です。具体的には、映像の中にオリジナル音声、音響、映像を残しながら、画面上に別の言語の訳文を表示させる手法です。
日本では1930年代から、映画の中で字幕翻訳が使われ始め、今では動画コンテンツの普及に伴い、様々な動画に字幕翻訳が使われるようになりました。
ちなみに、映像翻訳には字幕翻訳以外にも2つの手法がありますが、簡単に紹介しておきます。
その1. 『吹替翻訳』:映像のオリジナル音声を完全に消し、画面に映っている人物が翻訳された言語で話しているように見せる手法。よく吹替映画やインタビューなどで使われる。
その2. 『ボイスオーバー』:映像のオリジナル音声のボリュームを下げ、その上に翻訳言語の音声を被せていく手法。よくニュースやドキュメンタリー番組などで使われる。
話を字幕翻訳に戻しますが、字幕翻訳の効果としては、市場を世界規模に拡げ、グローバルに動画配信ができるという効果が最も大きく、またその他、音声を切った状態でも、動画内容が理解できるため、あらゆるデバイス、あらゆる場所で動画を楽しめるなど、様々なメリットがあります。
字幕付きの動画を目にする機会が、格段に増えた現代において、他のコンテンツに差をつけるためにも字幕翻訳の品質は非常に重要になります。誰もが、字幕を見ながら動画コンテンツを楽しむことに慣れている分、小さなミスも見つかりやすくなっているのです。
字幕翻訳のルール
YouTubeの機能についている、自動翻訳字幕を見たことがある方はご存知かと思いますが、あの字幕は、明らかに長すぎたり、タイミングがおかしいものが多々ありますよね?これは字幕翻訳のルールを守ってないから起こっているエラーです。
字幕は、本のように時間をかけて、何度も繰り返し読むことができるものではなく、短時間で画面から消えてしまいます。ですから、視聴者の目に入った瞬間に、すばやく意味が理解できるように、訳文を作る工夫が必要です。以下に、字幕翻訳の際に守るべきルールをご紹介します。
ルール1 文字・時間制限
- 日本語の場合、1秒当たりの表示文字数は4文字が理想(人間が文字を読む速度の平均)
- 1行当たりの文字数(行幅)は最大13文字
- 1画面に表示するのは最大2行、表示時間は最大6.5秒
ポイント:自分の目で見て、字幕が画面上で、問題なく追いきれるかチェックしましょう
ルール2 表現の工夫(簡潔で客観性の高い表現を意識)
- 原則「句読点無し」で意味が通るように訳出。必要に応じてスペースを活用。
- 重要でないセリフや感嘆詞、長すぎたり、特に重要ではない名詞などは割愛
- 「この」や「その」などの指示語は削除
- 動画を見れば誰にでも明らかな部分は、あえて説明をしない。*
* たとえば、講演会のQAで司会の人が「3列目の赤い上着を着てる方、質問をどうぞ」と言いながら画面に回答者が映る場合、字幕上では「あなた、質問をどうぞ」で伝わります。
ポイント:字幕に「こそあど(余計な代名詞や副詞等)」や、無駄な語尾がないかチェックしましょう
品質の高い字幕翻訳は、上記のルールが守られています。しかし機械翻訳では、残念ながらここまで細かいケアはできません。
企業の信頼性やユーザーの利便性を守るためにも、大事な映像は専門家による字幕翻訳サービスを利用することをオススメします。
字幕翻訳のステップ
そうは言っても、専門家による字幕翻訳はコストが高いと思われる方もいるかもしれません。では専門家に頼むメリットはなんなのか?機械翻訳と何が違うのか?その疑問を明らかにするため、以下に字幕翻訳専門の会社が行う作業ステップを紹介します。
字幕翻訳の5ステップ
- Step1. 専門家による文字起こし
- Step2. テキストデータのレビュー
- Step3. テキストの翻訳
- Step4. 専門家による翻訳のチェック
- Step5. 表示する字幕の長さ、表示時間の調整
専門家による字幕翻訳作業は、まず正確な文字起こしに始まり、字幕の表示幅の長さまで、完璧に調整した状態でお客様にお渡しします。高品質な字幕翻訳を作るためには、最低限これだけのステップが必須です。
ですが機械翻訳ではここまでの対応はできません。また費用が安いという理由だけで翻訳会社を選ぶと、これらの基本的なステップを省略したり、機械翻訳に頼っている可能性もあるので、注意が必要です。
字幕翻訳を翻訳会社に依頼するときの注意点
ここまで読んでくると、字幕翻訳に関しては、専門の業者に任せたほうが安全かなと思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?それでは、以下に、字幕翻訳を翻訳会社に依頼する時に、注意すべきポイントを2点紹介します!
字幕ではなく、翻訳のみのご依頼の場合に、注意すべきポイントについては、統一翻訳の以下の記事を参考にしてみてください。
注意点1. 解像度が高い映像データを用意する
字幕をつけた映像は、モバイル端末で見ることもあれば、大きなスクリーンで見ることもあり、映像を映し出す対象の機材先によって、必要な解像度が異なります。そのためオリジナルのデータは、解像度の高いデータで作成しておくことを、オススメします。
データの元々の解像度が低い場合、ホームページ上に掲載する場合は問題ないのに、展示会場の大きなモニターでは、字幕の文字が荒すぎて、よく判読できない、といった問題が起きます。
字幕の内容を正確に視聴者に理解してもらうためにも、元データの解像度には注意していただければと思います。
注意点2. 映像のファイル形式に気を付ける
映像の元データのファイル形式は、編集可能な形式を選択することをオススメします。
- 編集可能なファイル代表:AVI、MOV、WMV
- 再生専用のファイル代表:MP4 など
例えば、既に字幕がついている映像を、さらに多言語化したい場合や、映像内に出てくる、看板、商品パッケージ、ポスター、広告、書籍などに書かれている文字も翻訳して、字幕として表示させたい、ということもありますよね。こういった時、元々、編集可能なファイル形式を使って動画を作成していれば、より鮮明な字幕の作成が可能になります!
もし編集できないファイル形式で、多言語化や映像内の文字の翻訳を行う場合、新しく字幕を加える翻訳言語を、既存の字幕の上からかぶせて表示させる形式や、映像内の文字の下に翻訳言語を併記する、などといった形で対応します。
スムーズに翻訳作業を進めるためにも、事前にその翻訳会社が対応しているファイル形式をご確認いただければと思います。
統一翻訳の字幕翻訳
近年は、機械翻訳技術の発展により、一般の方でも簡単に映像の字幕が作れるようになりました。しかし今回のブログで紹介した通り、字幕翻訳の品質を守るためには、色々とルールがあることを分かっていただけたと思います。
機械翻訳は安価な反面、企業がオフィシャルな場面で、機械翻訳に頼ってしまうと、品質や所要時間とったリスクが高すぎます。機械翻訳で字幕を作成した場合でも、必ずその後に、誤訳の修正、不要な単語を削除、読みやすさの調整、表記の調整など、必ず人間のチェックが必要になります。それを社員社内スタッフや専門外の翻訳者が行うと、せっかくの映像の価値が下がってしまうリスクがあります。
企業の信頼度を高めるためにも、高品質な字幕翻訳は必須です。ぜひ一度、統一翻訳をご利用いただき、リスクの無い、高品質の字幕制作のお手伝いをさせてください。
統一翻訳は50年以上の歴史を持つアジア最大の翻訳会社で、これまでNETFLIX、ロレアル、メルセデスベンツなど、世界の一流企業の字幕翻訳のお手伝いをさせていだたきました。そんな統一翻訳による字幕翻訳の特徴は以下のとおりです。
特徴1. ネイティブによる文字起こし・翻訳
- 専門のネイティブスピーカーが、音声、画像情報を正確に文字起こしします。
- テキストデータに、タイムコードを追加し、翻訳を行います。
特徴2. あらゆるニーズに対応
- 録画、録音、脚本のテープおこしから翻訳まで、一貫対応も可能です。
- 企業紹介、製品説明、マーケティング紹介などのマルチメディアファイル製作にも対応いたします。
- 136言語に対応。世界に1万人以上の翻訳者がおり、国際市場で求められる「多言語化」のニーズにも対応いたします。
統一翻訳では品質面でもISO17100やISO9001といった国際翻訳規格にも勝る高品質なTDQCMP®標準作業体制を構築していますので、お客様にご満足いただける字幕翻訳の提供をお約束します。
さらに、より安心して翻訳のご依頼をいただけるよう、正式な案件のご発注前に、300文字の無償トライアルサービスもご利用可能です。
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