こんにちは、統一翻訳ライターの津山です。最近コロナの影響で新薬開発や医療機器の利用法など、医療分野への注目が高まり、それに伴い、現在、クライアントからのニーズが高まっているのが医療関連の翻訳です。

命にも関わる分野であるため、質の高い翻訳が求められる医療翻訳ですが、医療関係者の皆さんは、翻訳者や翻訳会社を選ぶポイントを正しく理解できているでしょうか?

医療翻訳は論文からマニュアル、治験報告書や実際の診察まで幅広い分野にわたり、かつ薬の名称や特殊な医療専門用語が山のように飛び交う、高難易度の翻訳分野です。そのため、正しい翻訳者や翻訳会社の選び方にもコツがいります。

医療翻訳の内実を理解せず、一般の翻訳物と同じように考えてしまうと、誤訳や質の低下が発生し、申請資料が受理されなかったり、製品の品質問題に発展したりする可能性もあります。

そこで今回は、医療分野の実績も豊富な統一翻訳が、医療翻訳の活用場面と医療翻訳者に必要なスキル、そして医療翻訳を依頼するときの翻訳会社の選び方までを、簡単に、分かりやすくお伝えします。

医療関係者の皆様、以下の記事をご一読いただき、質の高い医療翻訳を作成できる翻訳者・翻訳会社の見極め方を理解し、翻訳依頼時に活用していただければ幸いです!

医療翻訳が活躍する場面と実例

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まず医療翻訳が、現在どのように活用されているかについて、お伝えします。

医療翻訳とは文字通り医学・薬学に関わる翻訳のことで、医学論文や医療雑誌の投稿記事をはじめ、学会資料、医療機器のマニュアル、治験報告書、新薬の申請書類まで多種多様な文書が医療翻訳の対象になります。

医療翻訳の対象になる文書(一例)

  • 新薬・医療関連製品の申請書類
  • 医学書・医学関係の記事
  • 治験に関するドキュメント
  • 医薬品・医薬部外品の販促資料
  • 医療機器の取扱説明書 など

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中でも最近特にコロナで注目を集めてるのは、医療機器の操作方法を示した取扱説明書などの翻訳です。コロナの影響で、一般人でも医療ベッド、酸素吸入機などの医療機器を利用する機会が増えたからです。

実際に統一翻訳でも、コロナが深刻化した際、国際的な医療機器ブランドと提携し、ユーザーの母国語に合わせた医療機器の説明書やビデオの字幕・ナレーション翻訳を行い、さまざまな国のユーザーが新しい医療機器を簡単に操作できるようになりました。

また昨今、外国人の方が、安心して医療サービスを享受できるようにするために、医療翻訳に力を入れる企業も増えています。日本に住む外国人労働者の数は年々増加することが予測され、外国人にとって便利な、新しいサービスがどんどん展開されるでしょうし、日本製の医療機器は、国際的な競争力が高く、日本の医療関連企業の海外進出のチャンスも大いにあるでしょう。つまり今後、医療翻訳のニーズはますます高まっていくことが予想されます。

医療翻訳者に求められるスキルとは

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医療翻訳を自社のバイリンガルや機械翻訳に任せたいと考える方もいるかもしれませんが、翻訳専門会社の立場からするとあまりお勧めはできません。その理由は医療翻訳者に求められるスキルが非常に高度だからです。例えば、訳文の使用を「病院」に限った場合、病院内での受付や支払いなど、一般的な内容であれば、機械翻訳レベルで十分ですが、それを超える内容、例えば診察や薬の説明では、機械翻訳の使用はリスクが高すぎます。

ここでは高品質な医療翻訳のために必要なスキルを3つお伝えします。

1 医療関連文書を正しいスタイルで翻訳する能力

まずは医療関連文書を、医療文書のルールに即した正しいスタイルで翻訳する能力が必要です。

医療翻訳では、医薬品承認申請書や学術論文など、専門家による厳しい検査(査読)が入るものが数多く存在します。このような文章は、法律文章と同じく、記載方法に特徴があり、既定のスタイルが守られていないと、専門家にはかえって理解しにくい文章になります。

例えば医学論文では、病例を具体的事例ではなく概念として捉えるので、症状や疾病(病気)の名称は、すべて冠詞が付かない無冠詞で表現されます。

しかし一方で医薬品の副作用事例などを報告する安全性情報の翻訳では「症状には不定冠詞」「病気の名前は無冠詞」など使い分けが必要になります。

<医薬品等の安全性情報の翻訳ルール(一例)>

症状:a、anなどの不定冠詞が必要になります

疾病:冠詞は必要ありません(無冠詞)

2 医療とその周辺知識を絶えず更新する意欲

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医療翻訳者には、最新医療だけでなく、周辺知識まで含めて日々学ぼうとする意欲が欠かせません。

医療翻訳を行う翻訳者は、医学・薬学に関する知識だけでなく、化学に関する知識、医療機器系ではITに関する知識も必要になることがあります。つまり、絶えず情報を更新しようとするプロ意識こそが、医療翻訳の質を左右するといえます。

医療分野は日々進化するため、翻訳対象分野の専門家が翻訳を行うのがベストです。高品質で安定的な医療翻訳が必須である場合、必ず翻訳会社に対して事前にその分野の専門家がいるかどうかを確認しましょう。

国際基準やガイドラインに精通している

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医療翻訳の翻訳者は、数多くの医療関連国際基準やガイドラインに精通している必要があります。

なぜなら医薬品や医療機器業界は製造から販売まで、各過程で厳しい規制を受けるからです。医療翻訳者はこれらの規制を正しく理解し、書類の形式やガイドラインを遵守して翻訳をする能力が求められます。

日本の代表的なガイドラインには、日本の薬事行政ICHガイドライン日本薬局方などがあります。これはいずれも英語版と日本版があり、医療翻訳者が絶対知っておいた方がいい内容です。

ともかく、医療翻訳は命に関わる重要な仕事なので、当然それだけ求められるスキルやプロ意識は高くなります。翻訳のミスによって、患者の症状に関わる重大な責任がありますので、機械翻訳や、医療を専門としない翻訳者に任せることは避け、専門の翻訳会社に依頼してください。

医療翻訳で翻訳会社を選ぶときのポイント3つ

では実際、医療翻訳を依頼するときにはどのようなポイントに気をつけて翻訳会社を選んだらいいでしょうか?高品質な医療翻訳のために絶対に押さえてほしい3つのポイントをお伝えします。

1 医療の専門家がおり医療翻訳の実績が豊富

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今回紹介した通り、医療翻訳は非常に専門性の高い分野です。そのため翻訳会社によっては医療翻訳に対応していない、また専門家がいない、あるいは十分に実績がない、ということがあります。

医療翻訳を依頼する際は、ホームページで医療翻訳の対応可否を確認するだけでなく、事前に対象の分野に関して翻訳の実績が十分にあるか、またその分野の専門家がいるかどうかを必ず確認しましょう。

翻訳会社によっては無料トライアルをしているケースもあるので、それらを活用することも医療翻訳の質をチェックするには有効といえます。

2 翻訳プロセスの品質管理体制が優れている会社

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医療翻訳は専門性が高いため、誤訳は絶対に許されない分野です。そのため、翻訳プロセスの要求事項を厳密に規定している国際規格に準拠した翻訳会社を選ぶことが重要です。

例えば翻訳の国際規格でもっとも有名な国際翻訳規格ISO17100では、品質の高い翻訳サービスに必要な翻訳者の実務経験や資格、プロジェクト管理方法、文書・記録の管理、セキュリティ基準などについて厳密に規定されています。

国際規格を複数取得している翻訳会社であれば、翻訳者の質からチェック体制まで高い水準が維持されているため、誤訳などの発生リスクは低いと判断できます。

3 見積もりや作業などの対応が早い会社

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また翻訳会社が見積もりから納品までをスピーディに行えるかどうか、という点も重要です。新技術や新薬の申請、学術誌の記事や論文など、医療翻訳が必要な文書は、提出期限が厳しいケースも多いからです。

これらの文書では当然締め切りを厳守する必要があるため、24時間365日連絡が取れること、かつ依頼から翻訳者の選定、納品までをスピーディに行える翻訳会社を選ぶことをお勧めします。

医療翻訳なら実績が豊富な統一翻訳へ

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統一翻訳は現在11,000人以上の翻訳者と契約しており、どんな医療分野でも、高い確率で専門の翻訳者を見つけることが可能です。さらに創立から50年以上の実績があり、医療分野の翻訳ノウハウも豊富です。

統一翻訳では24時間365日ノンストップの相談受付はもちろん、品質面でもISO17100やISO9001といった国際翻訳規格にも勝る高品質な作業体制、TDQCMP®標準作業体制を構築しています。

医薬品関連ではファイザーやノバルティスファーマなど、世界を代表する企業様との取引も多く、医療分野でも信頼と品質への評価が高い翻訳会社です。

現在、統一翻訳では、300文字の無料トライアルを実施中です。まずは、品質をしっかり精査してから、医療翻訳の依頼の可否を決めたい場合、是非お気軽にこちらからお問い合わせください!