こんにちは、統一翻訳ライターの津山です。ホテルや飲食、小売業界の皆さん、アフターコロナのインバウンド需要に向けた翻訳対応はできていますか?

2021年11月現在、コロナが落ち着きを見せ始め、日本でもワクチンパスポートの導入が検討されており、2022年以降、旅行が解禁されれば、一気に訪日旅行客が増えることが予想されます。

統一翻訳の本社がある台湾ではコロナ後の海外旅行希望者のうち約5割が日本旅行を希望し、タイでは9割の人が日本旅行の情報を求めるなど、今アジアを中心に日本ロスの声はますます高まっています。

日本観光を楽しみにしている外国人が、宿泊先を含め、日本の情報を調べる際、webサイトや雑誌の情報、ひいてはその観光地やホテルに対して、信頼感や期待感を、持てるか持てないかの決め手となるものは何でしょうか。それが「翻訳の質」です。皆さんも海外旅行でホテルを調べる際、完璧な日本語版サイトが完備されたホテルと、明らかに機械翻訳で翻訳しただけの、変な日本語版サイトしかないホテルがあった場合、どちらのホテルに行きたいでしょう?前者のホテルを選ぶ人が明らかに多いと思います。

そこで今回は、インバウンド需要を取り込むために必須な、翻訳の重要性についてお話しします。インバウンド需要のおさらいと今後の展望、そしてインバウンドで翻訳対策が必要になる業界と媒体、そして翻訳依頼時の注意点5つをまとめて、簡単にお伝えします!

また台湾に本社を持つ統一翻訳ならではの、超重要な中国・台湾需要を取り込むためのポイントについてもこのブログで詳しく公開します。ホテルや観光業、飲食業などの皆様が、インバウンド需要増加の恩恵を、効率よく得られるための情報も記しておりますので、ぜひ最後までご覧ください。

直近のインバウンド需要のおさらいとコロナ後の見通し

まず最初に、コロナ発生前の2019年のインバウンド需要がどれくらい大きかったか、おさらいします。日本政府観光局(JNTO)によると、2019年訪日外国人旅行客は約3,200万人で、1964年以降訪日旅行客の最多記録を更新しました。

2019年 訪日外国人旅行客に関するデータ
訪日外国人旅行客3,188万人(過去最多)
訪日外国人旅行消費額4兆8,135億円(過去最多)
消費額が多い国TOP3中国台湾韓国
消費額が多い業種TOP3ショッピングホテル飲食業

参考:訪日外国人の消費動向 2019年

訪日外国人を地域別にみると圧倒的にアジアが多く、特に中国、台湾、韓国が旅行消費額の上位3位を占めています。つまりインバウンド需要を取り込むためには、まずアジア向けの対策をしっかり行うことが重要になります。

そして日本人向けの、コロナ収束後の旅行ニーズに関する調査結果を見ると、約6割の人が公衆衛生対策をしっかり行っている場所への観光を希望しています。これは海外の人でも同じだろうと思います。

引用元:環境庁:新型コロナウイルスにより生じた 旅行・観光に対するニーズや志向変化

コロナ収束後の海外旅行は、衛生対策の徹底により、旅行代金が上がることも予想されており、費用・衛生管理の面からも、安心して手頃に遊びに行ける、日本への旅行者が非常に増える可能性があります。

またタイではすでに日本旅行好きの人の9割が、来年に向けて、日本の観光スポットや宿泊の情報を調べ始めているほか、香港の旅行サイトで今年検索された旅行先TOP10のうち4つが日本の観光地であるという結果も出ています。

引用元:Expedia調查︰最高搜尋量日本囊括8名 逾四成港人等待疫苗外遊

さらに台湾でも現在、最も早くて2022年春には日本への旅行が解禁されると言われており、筆者の知り合いの日本のホテル関係者の情報によると、明らかに台湾人と思われるユーザーからのアクセスが増えているそうです。

つまり、今は2022年以降のインバウンド需要を取り込むための下準備期間として、最高かつ最後のチャンスであり、今ここでしっかりと外国人向けの翻訳対策を行っておけば、アフターコロナで日本を訪れる観光客を効率よく引き寄せることができるはずです。

インバウンド対策で翻訳が必須の資料とは?

インバウンド対策で翻訳が必要な資料は様々です。皆様が思いがけず見逃しているものがあるかもしれないので、ここでまとめてお伝えします。

インバウンド対策で翻訳が必要な資料

  • 観光や施設の紹介パンフレット
  • 観光地マップ
  • 案内掲示板
  • ガイドブック
  • レストランのメニュー
  • ウェブサイト
  • スマホアプリ
  • SNS(FacebookやInstagram)
  • トイレやロビー等、共有スペース内の注意書き

など

また海外で観光招致も行う場合は、事前に国外の旅行代理店に向けたプレゼン資料の翻訳なども必要になります。

これらの資料を一気に翻訳しようとしても旅行解禁後では間に合いません。訪日外国人旅行客が少ない今から少しずつ準備を始めることをお勧めします。

また、先ほど紹介したデータにあるとおり、日本の訪日外国人旅行客が最もお金を使うのは「買い物、ホテル、飲食」であり、これらの業界は特に翻訳対策を十分に行う必要があります。

媒体については、ウェブサイトおよびSNSの翻訳は必須です。その根拠としては、訪日客全体の7割以上は個人旅行者であり、これらの人々が主に、情報源としているのは、SNSや口コミサイトであるという結果が出ているためです。

観光庁 2019年訪日外国人の消費動向
引用元:観光庁 2019年訪日外国人の消費動向

口コミサイトを訪れた人は、そのまま観光地・ホテル・レストラン等のホームページに飛ぶ可能性が高いので、もしその時点でその国の人向けに翻訳されたページがあれば、「ホスピタリティが高い」という好印象を、持ってもらえる可能性が高まると考えられます!

インバウンド対策で機械翻訳を使う場合は要注意

インバウンド対策で機械翻訳を使う場合は要注意

現代では、DeepLやGoogle翻訳など、機械翻訳の性能が非常に向上しており、インバウンド関連の翻訳でも、機械翻訳を使ってしまっている方が少なくないと思います。しかしインバウンド向け翻訳で機械翻訳を使うことに対しては十分注意が必要です。

例えば以前、大阪メトロという日本を代表する公共交通機関で「あべの橋」駅が「安倍晋三的橋」と翻訳されるなど、機械翻訳の誤訳が多発して大きなニュースになりました。 

機械翻訳は安価で簡単に多言語翻訳が行える一方、固有名詞のボキャブラリーが不足しており、また、まだまだ発展途上のシステムであるため、標準語しか処理できず、国ごとに異なる言い回しや単語を表現しきれないなどの問題があります。

ホスピタリティが特に重視される地方自治体やホテル業界などは、単純な誤訳がそのままお客様の低評価に直結してしまうリスクが高いため、不要なコストやリスクを減らし、本気でインバウンド需要を取り込もうとなさる場合、その国の言語に精通した翻訳者を擁する、プロの翻訳会社に依頼するのが最も安全です。

インバウンド向け翻訳で翻訳会社を選ぶときの注意点

インバウンド向け翻訳で翻訳会社を選ぶときの注意点

では実際にインバウンド向けの翻訳を、プロの翻訳会社に頼もうと思われた際、その選定方法について、気を付けるべき点は何でしょう。ネットで検索すると安価な翻訳サービスがたくさん出てきます。ですが安いというだけで翻訳会社を選ぶと、機械翻訳と同じような誤訳が発生したり、対象国では普段使われてない表現で翻訳されるなど、質の低い訳文が納品されるリスクがあります。

では、どんなポイントに注意して翻訳会社を選べば良いのでしょうか。様々な基準があると思いますが、統一翻訳がおススメする判断基準は以下のとおりです。

全体

  • 機械翻訳を使っていないことを確認する
  • ネイティブチェックがあるかどうかを確認する
  • 翻訳者や校正者の国籍や簡単な経歴を提示できるか確認する
  • 多言語翻訳を専門に対応しているかどうか確認する
  • DTPチェックまで一貫して対応してくれるか確認する
  • 無償トライアルサービスがあるか確認する

特に中国や台湾向け

  • 中国語の違いに精通している(簡体字と繁体字の差異、単語や表現の差異など)

こっそり機械翻訳を使用する悪質な翻訳会社もございますので、機械翻訳の不使用という条件は、非常に重要です。機械翻訳は前の章で説明したように、固有名詞の誤訳が発生しやすく、特に地名や固有名詞を多く含むインバウンド向け翻訳では、使用をお勧めできません。

またネイティブチェックも重要です。ネイティブチェックとは、母国語話者の翻訳者が翻訳物を見て、自然な文章になるように調整することです。自然な文章と、そうでない文章とでは、それを目にした旅行者から得られる信頼感の差が非常に大きいため、ネイティブチェックサービスがある翻訳会社を選ぶのがお勧めです。

また旅行者たちにとって、重要な情報源であるウェブサイトの翻訳では、フォントの違いや、各言語毎に変化する訳文の文字数の多さ・少なさにより、レイアウトが崩れることがあります。そのため、成果物のDTPチェックに関しても、きちんと対応してくれる翻訳会社を選ぶのがベターです。

そして多言語翻訳への対応力も重要です。今後のインバウンド需要拡大で、英語・中国語・韓国語を中心に、2ヶ国語以上に翻訳するお客様も増えているので、対応言語数のできるだけ多い翻訳会社を選び、今後、どのような言語への翻訳が必要になった場合でも、まとめて依頼できるように準備しておくことをお勧めします。

簡体字と繁体字の差異、単語や表現の差異など

そして最後に、中国語の使い分けです。訪日客TOP3の台湾と中国は、同じ中国語でも、字体から単語や表現までかなりの違いがあります。それを理解せずに翻訳すると、お客様からの好感度が大きく下がるリスクがあります。台湾と中国の人に向けて、宣伝や観光情報を発信したい時は、中国語の差異に精通している翻訳会社に依頼することをお勧めします。

台湾と中国の中国語がどれくらい違うかについては、以下のブログで詳しく書いていますのでぜひ参考にしてください!

関連記事:【台湾進出の必須知識】台湾公用語の基本知識と台湾向けビジネス翻訳で知っておきたい3つの事

インバウンド向け翻訳は統一翻訳にお任せを

以上、ちょっと早足ではございましたが、インバウンドの翻訳対策の重要性、特に中国・台湾などアジア向けの対策が重要だとわかっていただけたと思います!ただ、ここでは書ききれないほど、アジア向けの翻訳では、文化的背景の理解など、実は難しい問題があります。

インバウンド向け翻訳は統一翻訳にお任せを

文化的背景への理解には、正しい歴史認識や現代の社会状況への理解が必須であり、その点を踏まえた翻訳ができる翻訳会社というのは、それほど多くありません。中国と台湾における簡体字中国語と繁体字中国語における差異に関しても、鋭いインテリジェンスが翻訳者には必須です。台湾に本社を持つアジア最大の翻訳会社「統一翻訳」は、この業界で50年以上の経験を誇り、中国語の品質は世界トップレベルです。インバウンド向け翻訳にも非常に強く、日本政府関連の案件も含め、毎年膨大な量の観光関連案件に対応しております。地域毎の中国語の差異にも精通しており、質の高い翻訳を提供することが可能です。

統一翻訳は世界中で1万人以上の翻訳者を擁し、対応中の言語は《136言語》に渡ります。インバウンド対策で必要になる全言語をカバーしています。当然ネイティブチェックや、DTP調整にも対応していますので、企業の顔となるウェブサイトや地方自治体のパンフレットなども、安心してお任せいただけます。

さらに現在、統一翻訳では300文字の無料トライアルを実施中で、事前に固有名詞翻訳の対応力や、訳文の品質を確認していただくことが可能です。ぜひこちらからお問い合わせください!