こんにちは、統一翻訳ライターの津山です。突然ですが、皆さんは「DTP」という単語をご存知ですか?DTP は翻訳物のデザインの見栄えを整え、ユーザビリティを高めるのに欠かせない作業です。しかし DTP の重要性は、まだまだ一般的には浸透していない気がします。
観光地のパンフレットを見るとわかりますが、言語が違えば同じ内容であっても、テキストの長さやフォントサイズが異なります。コンテンツにイラストや写真、表が含まれる場合、機械翻訳したものをただ貼り付けるだけでは、デザインが台無しになってしまいます。そこで登場するのが DTP です。
もし DTP に関する正しい理解がないと、翻訳会社に DTP サービスが必要かどうかを聞かれた時、値段だけを見て断ってしまい、後で出来上がりを見て後悔するということも起こりかねません。
そこで今回は、DTP サービスに強い統一翻訳のノウハウをもとに、DTP とは何か、どんな翻訳に欠かせないのか、また DTP サービスを選ぶときのポイントまで、まとめてお伝えします。
もしこれから自社のウェブサイトやマニュアル翻訳をお考えの皆様は、このブログで DTP のポイントを理解し、満足のいく翻訳コンテンツを作成してもらえれば幸いです!
翻訳サービスにおける DTP とは?
DTP の概要
DTP とは Desktop Publishing の略で、日本語では卓上出版と呼ばれます。具体的にはデザイナーがコンピューターを用いて、デザインや編集など、出版のための作業を行なうことを指しています。
翻訳会社の DTP サービスとは、翻訳すべき対象となるプロダクトのデザイナーが作成したデザインを、原文が多言語化された場合でも、きれいに使えるように保つことを指します。翻訳会社の中には統一翻訳のように、オリジナルデザイン作成から翻訳までを、一括対応できる DTP サービスを有する会社もあります。
DTP でどんなツールを利用するか気になる方は、以下の統一翻訳HPも参考にしてください。
DTP が必要な翻訳コンテンツ
次に、実際に DTP サービスがどんな翻訳コンテンツで利用されるのかイメージしてもらうため、具体的な事例を紹介します。
- 屋外の看板、商品パッケージ、イベント用ディスプレイ
- 紙媒体の製品・技術マニュアル、商品カタログ、施設パンフレット
- ホームページ、電子書籍 など
皆さんは、コロナ発生以前、海外旅行中に有名な観光地を訪れた際、日本語版や英語版のパンフレットやガイドを、手に取った機会があると思います。それらに書かれた文字や写真のバランスに違和感を覚えたことがあるならば、それは DTP 未処理の印刷物であったということを指し、逆に違和感を覚えた経験がないならば、それらにはプロによる DTP がしっかり行なわれていたという証拠です。
DTP は、翻訳時に必ず必要というわけではありません。しかし、パンフレットやマニュアルのように視覚情報が重要なコンテンツでは、企業のイメージ維持とユーザビリティの観点からも、プロによる DTP サービスを利用するのがオススメです。
翻訳コンテンツにおける DTP の3つの役割
しかし、DTP が重要だと言われても、実際に翻訳コンテンツにどんな影響があるか、具体的なイメージが湧きにくいと感じる方もいるでしょう。そこで、プロの翻訳会社の視点から、DTP の3つの役割をお伝えします。
全体のレイアウトに一貫性をもたせる
DTP にはコンテンツ全体のレイアウトに一貫性をもたせる役割があります。具体的には、翻訳言語の行間や改行の調整、画像やグラフのテキストサイズ調整などを行います。
パンフレットやカタログ翻訳で特に難しいのが改行(ハイフネーション)と呼ばれる作業です。日本語や中国語と違い、英語やドイツ語、タイ語等々、改行のルールが決まっている言語は非常に多く、ただ訳文を原文の上に貼り付けただけでは、無駄な空白や、レイアウト崩れが発生してしまいます。
また、例えば、ドイツ語は、複数の単語が半角スペースなく連結された、非常に長い「複合語」というものが存在する言語ですが、改行位置のルールを正しく理解している専門家の知識がなければ、正確な改行は無理です。その他、例えばタイ語も単語の切れ目が難解かつ、改行のルールが非常に厳格であり、タイ語を知らないデザイナーが勝手に訳文をレイアウト、改行などをしてしまうと、文章(訳文)の意味が全く異なるものに変わってしまいます。そういった大問題を防ぐ目的としても、翻訳会社の DTP サービスというのは、大変重要なのです。
翻訳によるページ数の増減を防ぐ
2つ目は言語間でページ数が増減するのを防ぐ役割です。
例えば英語から他の言語に翻訳する場合、フランス語やスペイン語では 15〜30%、オランダ語やドイツ語では最大 35% 以上、英語よりも長くなります。そのため翻訳言語を機械的に原文の上に貼り付けただけでは、元言語のビジュアルと全く異なるものになるのです。
DTP サービスでは、多言語間でも同ページ内に収まるよう、スペースの調整や文字のサイズ変更を行います。ページ内を行ったり来たりするマニュアル類などは、ページ数を揃えることが非常に重要です。
翻訳言語間のフォント崩れを防ぐ
そして3つ目は、翻訳言語間のフォント崩れを防ぐ役割です。
例えば日本語から中国語への翻訳を行う場合、同じ意味を指す漢字でも、字体の違いで同じフォントでは対応できないことがあります。(例:日本語の「歓」「臨」→中国語の「欢」「临」など)
同一文章内で、指定フォントが適用される文字と、されない文字が混在していると、字体が不揃いな、素人っぽい印象を与える成果物になってしまいます。それを防ぐために、翻訳会社の DTP サービスでは、テキストを対象言語に最適なフォントに置き換え、ビジュアルを整えます。
日本、台湾、中国の漢字表記の違いによる影響は、こちらのブログでも紹介しているので、ぜひチェックしてください。
DTP サービスがある翻訳会社を選ぶポイント3つ
では最後に、重要なコンテンツをプロに任せたいとお考えの方に、どんなポイントに気をつけて翻訳会社を選べばいいか3つのポイントをお伝えします。
ポイント1 翻訳自体の質が高い会社
DTP 翻訳では、デザインスキルも重要ですが、言語に対する専門知識も欠かせません。翻訳品質の高さの証明となる、ISO17100 を取得している会社を選ぶと良いでしょう。
ISO17100 とは翻訳プロセスやプロジェクト管理、翻訳者のレベル管理などを徹底している会社に与えられる国際的な翻訳規格です。つまり ISO17100 を取得している会社は、高品質なサービスが自ずと保証されます。もちろん、統一翻訳も ISO17100 を取得しています。
ISO17100 の制度やルール等、規格の詳しい内容は以下の記事も参考にしてください。
ポイント2 翻訳先の言語に対応している
マニュアルやホームページなどは、企業のグローバル化に伴い、後から多言語翻訳が必要になるケースも多い分野です。そのため対応可能な言語の数が多い翻訳会社を、あらかじめ選んでおくのがオススメです。
一旦翻訳したものをまた他の会社に依頼する場合、一から製品理解や背景知識を引き継ぐ必要が出てきます。品質にムラが出るだけでなく、時間やコストもかかります。
そのため、貴社が進出する、または将来的に進出する可能性が少しでもある地域の言語に全て対応している翻訳会社かどうかを、事前にしっかりチェックしましょう。
ポイント3 DTP の専門チームがある
3つ目のポイントは、DTP の専門チームがある会社を選ぶことです。
DTP は翻訳・デザイン・レイアウトなど様々な専門知識が必要な分野です。そのため翻訳以外に、専門のデザインチームを持つ会社に依頼することがオススメです。
例えば統一翻訳の技術マニュアル作成では、専門テクニカルライターと、アートデザインチームが一緒に執筆、レイアウト、デザインをお手伝いします。これはフリーランスの翻訳者が一人で行うにはかなり難しい作業です。
DTP は、会社案内やマニュアル、ホームページなど、企業のイメージを決定する重要なコンテンツにとっては、欠かせないものです。よって、専門チームを有する翻訳会社に依頼なさるのが最も安全なご判断だと思います。
DTP サービスなら統一翻訳にお任せ
今回の記事を読んで、自社のマニュアルやホームページ、パンフレット翻訳などで、DTP サービスを頼みたいと思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
統一翻訳は専門のアートディレクションチームを有し、業界最多の世界136種類の言語への翻訳に対応しております。さらにウェブサイト作成でも 6000 件以上の実績があり、24 時間ノンストップでご相談を受け付けておりますので、必要な時に翻訳言語に最適なデザインをご提案することが可能です。
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