こんにちは、統一翻訳ライターの津山です。海外進出を考える企業のマーケティング担当の皆さん、海外進出に必要な資料の翻訳対策はバッチリですか?
2020年のコロナをきっかけに、ショッピングや教育、芸術、スポーツ、株主総会、新製品展示会など様々なコンテンツやイベントがオンラインへ移行し、企業の海外マーケティングは以前よりも、移動コストの面でみれば、楽になりました。ただ、そのような状況下にあっても、マーケティングの成否に大きく関わってくるのが、翻訳の品質です。
一昔前であれば、海外進出におけるマーケティング活動で翻訳が必要になるものといえば、CM、街頭広告、チラシ、ポスターや説明書だったと思います。しかし現在では、消費者が新しいサービスを最初に知るきっかけはほとんどオンラインです。そのためSNSやウェブサイトも含めた幅広い翻訳対策が重要になります。
ですが実際にこれから海外進出を考える企業の皆さまの中には、マーケティングでどんな資料の翻訳が必要か、またどのようなポイントに気をつけるべきか、はっきりとはわからない方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、海外向けマーケティングで翻訳が必要な資料や、翻訳で気をつけるポイントを翻訳会社の目線から分かりやすくお伝えします!
マーケティング資料の翻訳が重要な理由
まず最初にマーケティング資料の翻訳が重要である理由についてお話しします。その理由は大きく2つあります。
1 海外進出の拡大による翻訳需要の拡大
以前の統一翻訳ブログでもご紹介したように、日系企業の海外進出はここ10年で急速に進み、2020年時点で海外の日系企業拠点数は約8万拠点、約1.5倍に増加しました。特にアジアを中心に海外展開が進んでいます。
日本企業の海外進出への意欲も高く、今後新規で海外進出をしたいと答えた企業は大企業で約1割、中小企業では3割に登ります。またオンラインビジネスも今後急速に拡大をつづけ、世界の越境EC市場は2026年までに2019年の7倍近くになると予想されています。
つまり今後は大企業も、中小企業も、個人事業主も海外進出を視野に入れたビジネス展開が当たり前になってくるでしょう。その際、自社のサービスを消費者に知ってもらい、選んでもらうために欠かせない要素が、コンテンツやマーケティング資料の翻訳品質です。マーケティング資料は、ある意味、会社の顔のようなものであり、クライアントを本当に大切にする会社であるか否かは、その資料のクオリティを見ればある程度分かってしまいますし、資料のローカライズが完璧であれば、クライアントへの思いはより強く伝わるでしょう。
2 マーケティング手法の変化による翻訳需要の増加
そしてもう一点重要なのが、現代におけるマーケティング手法の変化です。現在日本の企業の9割以上が消費者向けウェブサイトを有し、4割はSNSで商品宣伝や人材確保を行なっています。特にSNSは年々企業の利用率が増加しており、消費者との接点は、どんどんオンラインへ移行しています。
SNSは「即時性」が最も重視されるメディアです。もし海外向けマーケティングにおいて、早急なローカライズがなされたSNS投稿や海外向けコンテンツを準備することができれば、多くの集客を獲得するチャンスに繋がるでしょう。例えば、日本語版の公式SNSで出された情報に、海外からアクセスするのは難しいですし、海外版公式SNSが存在する場合でも、最新情報の翻訳が1週間遅れるということであれば、海外の消費者としては不満だからです。
海外マーケティング対策で翻訳が必要な資料
現在、海外マーケティングにおいて、翻訳が必要になる資料は、業種によっても多種多様です。以下に、翻訳会社の目線で、翻訳が必要な資料をまとめました。
(1)会社概要や製品機能を伝える
Webサイト・パンフレット・カタログ・マニュアル・取扱説明書・決算情報やIRの各種報告書 など
(2)消費者との接点を作る
SNS・ブログページ・ネット広告・街頭広告・チラシ・ポスター・ネットや雑誌用の宣伝記事 など
(3)社内向け
役員メッセージ・社内向けマニュアル・研修資料 など
マーケティング翻訳で最も重要なポイント
上記のとおり、マーケティングでは非常に様々な資料の翻訳が必要ですが、実際の翻訳作業においては、正確な訳文を作ることも当然大切ですが、むしろそれ以上に重要なポイントがあります。それは「国や地域に合わせた翻訳を行う(ターゲットに対して訴求力がある翻訳を行う)」ということです。
通常、翻訳業務では原文に沿って正確に訳すことが最も重要とされますが、マーケティング資料の翻訳では、対象地域のユーザーに最も受け入れられるように翻訳する「クリエイティビティ(創造力)」が必要になります。
例えば先日発売したiphone13Proのキャッチコピーなどがわかりやすい例です。同じ中国語でも「中国向け」「台湾向け」「香港向け」でその表現が大きく異なります。appleが、対象地域の歴史や文化、価値観、習慣などを考慮した上で、最も効果的な表現を創造(クリエイト)したことがうかがえます。
原文(iphone13Proキャッチコピー) | 中国向け | 台湾向け | 香港向け |
---|---|---|---|
Oh. So. Pro. | 强得很 | 就。很。Pro | 非常。Pro。 |
Your new superpower. | 解锁超能力 | 超能力,超有實力 | 超能,超多可能 |
マーケティング資料の翻訳では、機械翻訳のような原文直訳のスタイルでは、製品やコンテンツの魅力が、消費者に十分に伝わらないリスクがあります。大手企業でもネイティブから見ると奇妙な翻訳を使ってるケースがあり、翻訳の質によって、企業への信頼度が下がることもあるので注意が必要です。
特定の対象地域に向けて最も効果的にマーケティングを進めたい場合、自社ビジネスに精通し、かつその地域のネイティブスピーカーに翻訳してもらうのが、ビジネス成功へと近づく鍵だといえます。
マーケティング資料の翻訳で注意すべき3つのポイント
では実際にマーケティング資料の翻訳を始める時、どのようなポイントに気をつけたらいいのか、翻訳会社の観点から、3つお伝えします。
マーケティング資料は多岐にわたるため、全てを翻訳会社に頼むのは難しい場合もあるかと思います。自社で翻訳する場合でも、役立つ注意点ですので、翻訳担当者の方は是非ご確認ください。
1 機械翻訳に頼りすぎない
マーケティング資料の翻訳は普通の文書のように正確に翻訳するだけでは魅力が伝わらないと、さきほどお伝えしました。そのため機械翻訳に頼りすぎないことは非常に重要です。
機械翻訳は、マーケティング資料で重要になる、全体ニュアンスの理解や、流行りの言葉などへの対応は苦手です。そのため、どうしても翻訳サイトが読み込みやすい文章=教科書的な文章を使ってしまいがちです。ですが、これでは十分にサービスや商品の魅力が伝わりません。
また、機械翻訳は固有名詞にも弱く、そのまま訳文を使うと大変な誤解を生んでしまう可能性もあります。機械翻訳による誤訳の問題は以下のブログでも詳しく記載しているので参考にしてください。
翻訳対象となる当該資料が、どんな目的で、どんな人たちに見てほしいのか、マーケティング資料の要点をしっかり見極められる人が翻訳を担当すべきです。重要な資料は業界に精通した翻訳者に頼みましょう。
2 用語集やスタイルガイドを活用する
固有名詞や、文章の文脈の理解度が重要となるマーケティング資料や、コンテンツの翻訳には、翻訳の質を向上・安定させるための、用語集やスタイルガイドの活用が必須です。
・用語集:よく使われるキーワードや固有名詞、独自の訳し方が必要な言葉の対比表
・スタイルガイド:句読点の仕様や語尾、文体、フォントなどを定めたガイドライン
翻訳会社に翻訳を依頼する場合にはもちろんのこと、社内で対応する場合であっても用語集やスタイルガイドを用意することで、長期間に渡る翻訳品質の維持が可能になります。また膨大の資料の翻訳が必要な場合も、ミスが発生しにくくなります。
用語集やスタイルガイドの作成方法については以下の統一翻訳ブログで説明しています。ぜひ参考にしてみてください。
3 地域ごとの言語の使い分けに気をつける
3つ目は同じ言語でも、ターゲットとなる地域によって、訳し分けが必要だという点です。ヨーロッパのスペイン語やポルトガル語と、中南米のスペイン語やポルトガル語の違いや、特に日本企業の多くが進出を目指す、中国や台湾では、同じ言語でも単語や記載方法がかなり違います。以下に主な3つの違いを紹介します。
- 漢字が違う(繁体字(台湾)、簡体字(中国))
- 単語が違う(例:タクシ=計程車(台湾)、出租車(中国))
- 発音が違う(例:そり舌音が比較的少ない(台湾)、多い(中国))
これらの違いを理解せず、例えば中国で使ったマーケティング資料をそのまま台湾で使ってしまうと、クライアントや消費者からの好感度や信頼性が損なわれ、ビジネスチャンスを失うリスクもあります。台湾といえど人口は2,300万人と日本の首都圏レベルなので、翻訳の質のせいでユーザー逃すのは、非常に勿体無いです。
中国や台湾向けのマーケティングを効率よく進めるためには、少なくとも重要なプレスリリース資料や広告などは中国語に精通した専門の翻訳者に依頼なさることをオススメします。
中国と台湾の中国語の使い分けについてもっと知りたい方は、こちらのブログで詳しく説明しているのでぜひ参考にしてみてください!
マーケティング資料の翻訳は統一翻訳で
マーケティング資料の翻訳は単純な直訳では駄目で、製品やサービスの魅力を最大限伝えるためにはその地域の習慣や文化、歴史なども考慮して翻訳することが重要なのです。
統一翻訳は、日本企業進出先No.1であるアジア最大の翻訳会社です。台北に本社を構え、日本企業の多くが進出を目指す中国と台湾の中国語の使い分けにも非常に精通しており、マーケティング資料の翻訳にも長けています。
統一翻訳の対応言語は140言語に渡り、かつ11,000人以上の翻訳者と契約しているため、どんな国や分野に進出される場合でも、高い確率で専門の翻訳者を見つけることが可能です。
さらに24時間ノンストップの相談受付はもちろん、専門文書からWebサイト、マニュアル翻訳まで、海外進出に必要なほぼ全ての文書の翻訳に対応しています。もちろんWebサイトはデザインやレイアウト配置のフォローにも対応しています。
品質面でも、ISO17100やISO9001といった国際翻訳規格にも勝る、TDQCMP®標準作業体制を構築しており、台湾のTSMCや日本のトヨタなど、世界を代表する企業様からも選ばれる、信頼と品質への評価が高い翻訳会社です。
現在統一翻訳では、300文字の無料トライアルを実施中です。海外向けマーケティング資料の翻訳が必要なお客様は、是非一度お問い合わせください!